その他、S13K's(CA R200)の4.363もS14K's用と同じ方法で流用できるらしい。
内装 & 外装
- S15Sの内装及び外装について
外装についてはS15Rと全く同じである。
内装については、シフトノブ周辺及びピラーメーターの有無、コンビメーターの色が異なる。
S13〜S14のシートが流用できる。
S14のボンネット裏に付いているインシュレータを流用できる。
一部のクリップ穴が合わないが、実用上は問題ないとのこと。
・インシュレータ 6584080F00 6,680- ・クリップ(16個) 6584640F00 2,400-
- GTRシート流用
32GTRのシートをS15に流用する場合、シートレール固定ボルト4本のうち1本が合わない。
ワッシャーで固定する方法が一般的。ステーなどを自作しても良い。
シートベルトバックルの位置がずれるため、他車種のバックルを流用する場合もある。
エンジン & タービン & 吸排気系
- エンジン
S15Sのエンジンは、S13〜S15に搭載されるSR20である。
ポート形状が良く、特にNAエンジンとして潜在能力が高い。
ポート形状が最も良いのは、NVCSをもたないS13系のSR20である。
アルミブロックのため、ターボエンジンとしては強度が低い。
最大の泣き所は、高回転まで回すと脱落するロッカーアームである。
ロッカーアーム脱落防止のために、ロッカーアームストッパーが多数市販されている。
ロッカーアームが脱落しやすいため、高回転まで回すためには精度の高い加工と組み付けが必要である。
S13(SR20)〜S15Rまでのエンジンマウントが流用できる。
SR16VEエンジンのピストンが流用できる。ハイコンプ化が可能。
S15R用SR20DETエンジンとの差は、下記の通りである。
・排気バルブ : S15RはNa封入バルブである
・エキゾーストマニホールドガスケット : S15Rはメタルガスケット(再利用可能)である
・ピストン : S15Rはヘッド面の陥凹した低圧縮タイプである
・カム : S15Rはターボ用のプロフィールである
・オイルライン : オイルパンに、タービンからオイルの戻るラインがある
・ブローバイガスパイプ : シリンダーブロックに、ブローバイを逃がすためのパイプがある
・その他
バルブ、ガスケットは無加工で流用可能。オイルラインやパイプは加工により取り付ける必要がある。
S14Q'sのエンジンとは、基本的に同じである。
S15Sも含め、S14以降のシルビアにはNVCSが装備されている。
S15A用SR20DEエンジンとの差は、下記の通りである。
・ピストン : 高圧縮型専用ピストン(圧縮比11.7:1)
・排気バルブ : Na封入バルブ採用
・カム : 吸排気ともオーバーラップの見直し
S15R用SR20DETエンジンは、吸排気系とECUごとであれば流用できる。
S15R用タービンも、吸排気系ごとであれば流用できる。ただしECUは再セッティングが必要。
S15S用SR20DEは、圧縮比そのままでターボ化することができる。
NAの鋭いレスポンスはそのままに出力を向上できる。出力の上限は300ps前後と考えられている。
S15S用のポン付けタービンキットが発売されている。
・銭谷 NAターボキット 618,000-
最大出力 295ps(ブースト0.9)
HKS GTタービン、ハイパーマフラー、専用ECU、インタークーラーなど必要なものはすべてセット。
工賃は200,000-円前後、工期は2週間とのこと。S14Q's用だが、S15Sにもそのまま流用可能。
ターボエンジン載せ換え、後付けタービン取り付けやインタークーラー取り付けは、車検上特に問題ない。
出力が15%以上増加する場合、厳密には申請が必要。(実際には出力チェックなどしないが…)
エンジンヘッドブロックはS13〜S15まで相互に交換可能だが、ロッカーカバーには互換性がない。
- 吸排気系
S15SはNAのため、タービン、インタークーラーは設置されていない。
スロットル径は、車種によって異なる。
・S13-15 SR20DET - 外径φ60mm, 内径φ50mm
・S14-15 SR20DE - 外径φ70mm, 内径φ60mm
・N15 SR16VE - 外径φ80mm, 内径φ70mm
S15Rには、しばしばS15S等のφ70スロットルが流用される。
S15Sには、しばしばN15のφ80スロットルが流用される。
N15スロットルをS15に流用する場合、専用のフランジをサージタンクに溶接する必要がある。
・ナプレック N15パルサースロットル用フランジ 9,800-
・ナプレック フランジ付きサージタンク 45,000-(S13 SR20DET用のみ, ノーマル下取り)
・E-SR 70φサージタンク スロットル付き 69,000-(ノーマル下取り, 現車持ち込みのみ)
S15R用のマフラーは流用可能だが、中間パイプ径の問題でS15Sには使いにくい。
S15R純正マフラーについては、S15Sでも問題なく使えるようだ。
4連スロットルについては、TOMEIからキットが発売されている。
GTI-R用の4連スロットルは、インマニのウォータージャケットの形状が異なるため流用できない。
RB26DETT用6連スロットルを加工して流用できる。
S15R用の触媒は、無加工でS15Sに流用できる。
エアフロについては、S15SとS15Rに違いはない。
R32のRB20DET搭載車用純正触媒は、メタル触媒でS15R純正より高効率。流用の意味はある様子。
S15には、センサー類も含めボルトオン。
BNR34, BNCR33, R32typeMはメタル触媒。
その他、日産のVG、SR、RB系エンジンに使用されている触媒は流用できるものが多いらしい。
流用できるエアフロについては、下記の通り。(参考ページ)
・R32 30,600- 最大計測約310ps 径80φ
・Z32 32,900- 最大計測約500ps 径80φ
・BNR32 (GT-R) 30,600- 最大計測約310ps 径70φ
・S14 30,600- 最大計測約280ps 径65φ バイパス式
・RNN14N (GTi-R) 30,600- 最大計測約280ps 径65φ バイパス式
エアフロ流用は、ハーネスを自力で繋ぐか、或いはアダプターキットを利用する。
・TOMEI エアフロキット 6,900-〜
エキマニは、S13〜S14のSR20DE車及びS15Aのものが流用できる。
ただし、センサー配線の取り回しが難しい社外品もあるとのこと。
- 点火系
S15Sはデスビ、S15Rはダイレクトイグニッションなので、プラグコードなどに互換性はない。
S15Sはデスビ点火だが、ECUによる点火時期の調整も行われている。
S15Sの点火系は、特にプラグコードの高性能化による恩恵が大きい。
点火プラグは、S15S及びS15RのいずれもISOに準じており相互に交換可能。
SR20エンジンに使用する点火プラグは、一般にNGKのOEM製品が良いと言われている。
NISMOプラグはNGKのOEMである。
以前はTRUSTのプラグが非常に高性能だったが、現在はNGKのスポーツプラグと同じである。
TOMEIのコンプリートエンジンには、DENSO製のプラグが使用されている。
以前はHKSのプラグの評判が非常に悪かったが、DENSOのOEMに変わってからは問題ない。
点火プラグのOEMは、およそ下記の通りである。
・DENSO : DENSO, SARD, TRD, HKS
・NGK : NGK, TRUST, NISMO, APEXi
・その他 : SplitFireなど
(余談だが、SplitFireを「スピリットファイア」と読む人が多い。「スプリット…」だと思うが。)
個人的に、性能と値段の兼ね合いでSARDのSRシリーズを、性能の点でHKSのRシリーズを推す。
個人的に、HKSのSシリーズは耐久性に難があり、スポーツ走行には向かないと考える。
クラッチ & フライホイール
- S15Sのクラッチについて
S15SのクラッチはS14Q'sとほぼ同様の形式である。
S15S/R、S14K's/Q'sのクラッチレリーズピボット及びオペレーティングシリンダーは相互に交換可能である。
S14Q'sとは、フライホイール・クラッチカバー・クラッチディスクとも相互に交換可能である。
S15Sの純正クラッチの圧着力は500kgf、S15Rの純正は600/635kgfである。
S15Rの純正クラッチ装着時のクラッチペダル踏力は、12kgfである。
- S14用クラッチについて
クラッチは、フライホイールと一体の製品である。
S14のトランスミッションはS15Sと同じ形式であるため、K's用、Q's用とも流用可能である。
S14Q's用クラッチはボルトオンで流用可能。
S14K's用クラッチは、フライホイールごとなら流用可能。
K's用フライホイールはQ's用に比べて重いが、アクセルレスポンスに優れるという報告がある。
社外品も純正品同様に流用可能であり、選択肢は非常に多い。
例えば、NISMOのカッパーミックス(S14K's用)は、フライホイールとセットでS15Sに流用できる。
- S15R用クラッチについて
S15Sとはトランスミッションの形式が異なるため、そのままでは流用できない。
トランスミッションとプロペラシャフトを同時に流用する必要がある。
S15R用純正6速ミッションやNISMO6速クロスを導入する際、流用が必要になる。
- クラッチライン
S15Sのクラッチラインは、S14K's及びQ'sと同じである。
純正品及び社外品が無加工で流用できる。
- クラッチオペレーティングシリンダー
S15Sのクラッチオペレーティングシリンダーは、S14K's及びQ'sと同じである。
純正品及び社外品が無加工で流用できる。
- クラッチペダルブラケット
S15Sの室内装は基本的にS15Rと同じであるため、S15R用ブラケットがそのまま使用できる。
・NISMO 強化クラッチペダルブラケット 7,800-
その他
- ウォッシャータンク
サニートラックのウォッシャータンクがしばしば流用される。
・27480-H1001 4,390-
取り付けには平形端子が必要。ウォッシャーの噴出力が低下する。
社外品も市販されている。
・NightPager 汎用移動ウォッシャータンク(袋タイプ) 7,980-
出力は不明。
いずれも、S15のリアウォッシャーノズルは使用できなくなる。
- パワーステアリングフルードリザーバータンクのフタ
R33用にすると漏れが少なくなるらしい。装着できるかどうかは未確認。
APPからフタの強化パッキンが発売されているらしい。価格は1,000-。
パワステフルードの溢れに関しては、パワステフルードクーラーの設置が最も効果的。
- 純正ホイール
S15Sには、S15R純正、S14K's純正ホイールが問題なく履ける。
- S15のマイナーチェンジについて
S15は平成13年式以降にいくつかのマイナーチェンジが行われている。
・電動ラジエターファン廃止
・トランスミッションのゴムダンパー廃止
・ラジエター下部全面のクッション廃止
・パワステフルードタンクの変更
・リアサスペンション下部のゴムダンパー廃止
・キー抜き忘れ防止用警告音の変更(「ポーン・ポーン」から「ピピピピ」に変わった)