ファイナルギアに関する情報
2002.10.15以降随時更新
●S15specSのファイナルギアに関する情報
- S15Sのファイナルギアについて
S15Sのファイナルギアは、リングギアの直径が200mm(R200)、固定ボルト径13mmであり、最終減速比が4.083に設定されている。S15Rのファイナルギア(R200 最終減速比3.692)に比べ、比較的ローギアードで加速重視の減速比だ。S15Rのファイナルギアセットとは相互に流用可能だが、S15SにS15Rのファイナルを組み合わせるメリットはあまりないと思われる。
- S14用ファイナルギアセットの流用
S15のリングギアの固定ボルト径はφ13mmであり、S14(R200)のφ12mmより大きくなっている。このため、そのままではS14用のファイナルギアセットをS15に流用することはできない。
この問題の最も簡単な解決策は、ATSから発売されている変換ボルト(ATS 12φ->13φ変換ボルト 5k円)を使用することだろう。この方法の利点は、ボルト以外全くパーツ交換する必要がなく、安価にS14用ファイナルギアセットを流用できる点である。欠点は、強度がφ12mmと同じになり、S15純正より若干強度が落ちてしまうことだろう。ただ、どう頑張っても300psに届かないNA車であれば、これは問題にならない欠点と思われる。
この他、S14(R200)やR33 typeM(AT)のデフをデフケースごと移植するといった方法もある。この場合、スピードメーターやABSを動作させるため、ABS車のABSセンサーも同時に移植する必要がある。
- サードパーティー製S15S用ファイナルギアセットについて
S14(R180及びR200)用のファイナルギアセットは複数のメーカーから発売されているが、現在のところS15に対応したものはspecS/Rを問わず発売されていない。このため、最終減速比を変更するためにはS14(R200)用のファイナルギアを流用する必要がある。流用方法は上記の通り。
- S15用ファイナルギアセットをS14等に流用
S14(R180またはR200)にS15のファイナルギアセットを流用することは、基本的に困難である。どうしても行いたい場合は、デフキャリアごとS15用に取り換えればよいが… S14用のファイナルギアは安価に出回っており、R180のデフキャリアをR200に変更したいといった理由でもない限り、あまり意味はないだろう。
- スピードメーターの誤差
最終減速比を変更すると、スピードメーターに誤差が生じる。例えば、S15Sのファイナルを純正の4.083から4.625に変更した場合、スピードメーターには13%の誤差が出る。これを補正するには、速度パルスを補正する製品(ナイトスポーツのSAD等)を使用するか、補正機能を持った社外のスピードメーター(APEXiのレブスピードメーター等)を使用する必要がある。
●一般的なファイナルギアに関する情報色々
- ファイナルギア
ファイナルギアとは、プロペラシャフト後端のピニオンギアとデフに固定されたリングギアのセットを指すか、或いはその部分の減速比を指すことが多い。
変速はトランスミッションとファイナルギアで行われ、ホイール&タイヤの駆動力(トルク)はこの二ヶ所の変速によって決定される。この二ヶ所を比べると、トランスミッションでの変速が走行状態の変化に応じて動的に変更されるのに比べ、ファイナルギアは常に固定であり走行中に変更されることはない。従って、ファイナルギアでの変速比を最終減速比と呼び、回転域全体の傾向を決定するのに用いられる。
- ローギアードとハイギアード
エンジンから出力された回転は、ホイール&タイヤに伝えられるまでに変速される。回転数を減らす(減速する)方向に変速するとトルクが太り、逆に回転数を増やす(増速する)とトルクは痩せる。より回転数を減らしてトルクを優先したセッティングを「ローギアード」と呼び、逆に回転数を稼いでトルクを犠牲にしたセッティングを「ハイギアード」と呼ぶ。これはあくまでも相対的な概念だ。
S15を例に取ると、NA車の最終減速比は4.083、ターボ車は3.692である。この値は、リングギア(デフ)を回すのにピニオンギア(プロペラシャフト)を何周させる必要があるか、というもので、相対的に値が大きければローギアード、小さければハイギアードと考えてよい。S15では、エンジンのトルクが小さいNA車をターボ車よりローギアード化し、最高速を犠牲にする代わりに加速を補っているわけである。
- ファイナルギア変更によるメリットとデメリット
一般的には、ローギアード化することで加速が良くなる。これは非力なNA車にとっては魅力的だ。しかしその反面、エンジンの吹け上がりが早くなってギアチェンジが頻繁になったり、理論的な最高速度(高速ギアでレブリミットまで回した場合の速度)が低下したり、高速走行時の燃費が悪くなったりする。
specSの最終減速比は4.083だが、ローギアード化する場合、一般的に4.3から5.1程度の減速比が選択される。もちろん、この値が大きければ大きいほど、そのメリットとデメリットも大きくなる。日常レベルで許容できるのは、恐らく4.8程度までだろう。
尚、ファイナルギアの変更によるデメリットとしては他に、スピードメーター(及び走行距離メーター)の誤差がある。S15はデフから得たABS信号を車速信号として利用しているが、これはファイナルギアよりエンジン寄りの部位であることから、ファイナルギアの変更が反映されない。従って、ローギアード化した場合、スピードはより高く、走行距離はより長く表示されることになる。例えば、S15Sのファイナルを純正の4.083から4.625に変更した場合、スピードメーターには13%の誤差が出る。
●社外及び純正で流用可能なファイナルギアセット
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