かなり怖かった話

2001.12.06
 車高調そのものとは全く関係のない話ですが、交換後に非常に恐ろしい体験をしたので書いておこうと思います。それは、車高調を取り付けて1週間弱の、10月29日未明に起こりました。
--2001年10月29日の日記から--
死ぬ目にあった。

日曜の深夜(厳密には月曜未明)に高速道路を走ってたら、小さな段差を乗り越えた瞬間に「ごぐん」と嫌な音。
直後に左後タイヤの接地感がなくなり、ステアリングが左右に振られるようになった。
横を向くクルマをカウンターステアで無理やり前に向けて、クラッシュはなんとか回避。
スピードを落として、次のサービスエリアを目指した。

SAまで5km余りを慎重に走りながら、クルマに何が起こったのかを真剣に考えた。
接地感は全くないが、クルマはきちんと直進している。タイヤがフェンダーに接触している様子もない。
つまり水平方向のアーム類は無傷で、垂直方向のサスペンションに問題が起きた確率が高い。

ダンパーはよほど大きな縦入力がない限りそうそう抜けないだろうから、そうするとパーツの脱落か離断か。
離断する部分は、アッパーマウント・スプリングロアシート・ブラケットの辺りだろう。
アッパーマウントには縦方向に外れるジョイントはないし、ロアシートは2枚のシートが同時に破損しなければ問題にならない。ただ、ブラケットも回転しないかぎり自然と脱落することはないので、ここも考えにくい…

ということで、とりあえずサービスエリアに着くまで、やたらと悠長に原因を探っていた。
我ながら、変に落ち着いていたと思う。いいんだか悪いんだか分からないが。

さて、サービスエリアに到着してすぐにリア周りを点検。
やっぱり左後が落ち込んでおり、いかにもサスペンションの問題を疑わせる。

で、ライトを使ってフェンダー内を覗き込んだら、なんと!
車高調の一番下の部分(ハブ-ホイールと繋がる部分)が、中ぶらりんになっているではないか!



車高調の下部は特に破損もなく、固定ボルトがすっぽり抜けた状態になっていた。
ハブ側のジョイント部も破損もない。

「組み付けのミスかよ…」

一瞬、茫然として雨模様の夜空を見上げる。
自走は不能。換えのボルトなどあるはずもなく、その場では補修は無理だ。
仕方なくJAFに電話。サスペンションの状態が状態なのでレッカー移動は無理。
積載車を依頼して、積載して、一旦高速を降りてもう一度高速に乗って。
全てが終わったのは朝の6時だった。
移動費用は交通費別で36.6k円。

夜が明けて、また新しい一週間が始まる…


--2001年10月29日の日記から--
昼休み、車高調を取り付けたショップに電話。
取り付け後5日目の車高調が脱落したら、100%ショップの責任だ。
当然、すべての補修費用とセッティング費用はショップもちで修理することになった。
あ、レッカー代も補償。当たり前だな。睡眠時間も返してほしいもんだ。
タイヤとホイールが破損していなかったのはショップにとって幸運だったね。
ホイールまで傷んでいたら、タイヤ4本分(120k円)、ホイール1本分(30k円)が別途必要になってただろうし。

それにしても、固定ボルトの取り寄せとアーム類のチェック、車高調の傷の程度の確認が必要だろうね。
ちょっと時間がかかりそうだ。
見に来た店員さんは「ボルトだけで直ります。アームは大丈夫だと思います」と言っていた。
ダンパーの外れたマルチリンクで走行したら、どこに負担がかかると思ってるんだろう。
本来なら垂直方向の応力のかからないはずのアーム類が、車重を全て担っていたことになるんだけど…
アーム自体の曲がりや、ジョイントのブッシュ類の破損など確認しなければならないことは沢山あるよ?
もちろん左右一緒に調べないと片手落ちになるし…
純正部品とCUSCO製品、全て取り換えたらいくらになると思ってるんだろう。

ま、明日ボルトをもってクルマを引き取りに来るそうだし、取りあえず今後の対応を見ていこう。
とりあえず、作業の言い訳をしなかったことだけは評価できるかな。うん。

それにしても、ふぅぅぅぅぅぅ…

今回幸運だったのは、深夜で周囲にクルマがいなかったこと、同乗者がいなかったこと。
サービスエリアが比較的近かったこと、夜間であまり目立たなかったこと。
タイヤがフェンダーに接触せず、バーストせずに済んだこと。
そしてなにより、慣らし中だったのでスピードを抑えて走っていたこと。

どれが欠けても、無事ではすまなかっただろうね。


--2001年10月30日の日記から--
どうやらアーム類は無事だったらしい。傷ひとつなかったそうだ。
相当な負荷だったはずだけど、さすがに足回りのパーツは剛性が高いね。
アラインメントもきちんと出たみたいだし、これで左足のショックが逝ってなければ問題なし。
後はレッカー代を払ってもらって手続きは終了かな。

でも、ショックのシリンダーに付いた傷はちょっと気になるなぁ。
外観はともかく、シリンダーに歪みが出てるとオイル漏れや減衰力の調節異常を起こしたりするし。

鉄製だからアルミに比べれば強度は高いけど、単筒式だから構造的に外力の影響を受けやすいんだよね。まあ、高価なアルミ製を付けてなくて良かったよ。

レッカー代も返却してもらい、とりあえずは一件落着。
ショックに不具合が起きないよう祈ろう。
次に問題が生じたら、もう一度許すことはできないだろうから。
 以上、私の恐怖体験でした。

 今回の事故は、初めての事故(トラックの後に突っ込んだ)に比べれば恐怖感は少なかったですが、危険レベルは過去最高でした。こんな施工ミスは聞いたことありませんでしたが、ブレーキにせよ車高調にせよ、取り付けミスが直接命に関わるということを実感した一晩でした。

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