2002.08.31(Sat) @ TIサーキット英田


  1. 準備、サーキット到着まで、そして今回の抱負

     今回は、ASCの走行会に参加した。参加台数が30台と少なく、全体にジェントルな雰囲気が漂い、そして参加費が安い (^ ^; ほんとに満足度の高い走行会だった。ASCの正会員にもなったことだし、また冬も参加することにしよう。

     さて、今回の目標は、とりあえずベストラップで2分を切ることだ。前回のタイムが2分0秒だった事を考えれば、決して無理な目標ではないはず。このクルマの限界と言われている1分58秒には到達できないかも知れないが、なんとか59秒台を出しておきたいものだ…

     初お目見えのパーツは、いきなり交換となった車高調のHIPER MAX PROが最重要 (^ ^; 前回まで使用していたSECTIONのSPEC-RM/A8の減衰力調節機構が破損したこと、高速走行におけるフロントのジャダーが徐々に悪化してきたことから、修復より新調したほうが良いと判断したため交換となった。また、ボンネットをFRP製のもの(WURZ)に交換。ダクトありの黒ゲルコートに純正色塗装。さらにフロントフェンダーの加工も施行し、フロントの車高を前回より10mm落とすことが可能になった。これらの変更により、コーナリングスピードの向上が期待できるはずだ。もっとも、大幅なセッティングの変更が必要になったため、若干不安を残しはするが… あ、タイヤに窒素を充填したのを忘れていた。空気圧の変化に注意が必要だね。それと、今回から油温をオイルブロックから取ることにした。油圧計も設置したし、エンジンの状態がより把握しやすくなることを期待してる。

     そうそう、今回は姫路から友人2名が参加してくれた。お陰でサーキットも、往路・復路も非常に楽しかった。感謝 (^ ^) だいたい、うちのクルマのリアシートに乗ろうというだけで、その勇気を讚えるべきかも知れないな…

  2. サーキット走行 : 1枠目

    • 天候 : 気温 30℃, ドライ
    • アライメント : F TOE IN 0mm, F CAM -3.0°, R TOE IN 1.0mm, R CAM -3.2°
    • 減衰力 : F 5/30, R 5/30


     今回はHIPER MAX PROの初陣のため、とりあえず適切な減衰力を見つけだす必要があった。街乗りでは30段のうちハード側から20段目を選択していたが、サーキットではまず5段目を選択。もしかしたら少し柔らかいかもしれないが、この辺りで一度様子を見てみることにしよう。

     アライメントは、不本意ながら前回と同じ。相変わらずリアアッパーアームが固着して動かないため、今回もリアのキャンバーが中途半端な値になっている。結局、アッパーアームは新調することになりそうだ… ふぅ。

     さて、実際に走り出してみると、足回りの具合はかなりいい。コーナリング時に不安が全くない。特にリアは、粘りが出たうえにコントロール性も向上。オーバースピードでコーナーに進入しても、リアが流れる瞬間を察知してアクセルコントロールができるため非常に楽に走れる。楽すぎて、どんどんコーナリングスピードが上っている。

     コースの状態も、路面には全く問題なく、また参加台数が少ないためクリアラップが取りやすい。これはチャンスだ、ということで、5周目以降くらいからかなり真剣にタイムアタック。取りあえずそれなりに満足したところで赤旗終了となった。

    • タイヤ空気圧 : F 220->240kPa, R 220->240kPa
    • メーター(ピーク値) : 水温 87.5℃, 油温 121℃
    • ベストラップ : 2'01.303


     一枠目から、以前なら考えられない程の好タイムだ。まあ、それなりに走れていたから当然かな。空気圧は前後とも同程度上昇とバランスがよく、上昇幅も20kPa程度で十分許容範囲だ。空気圧からは前後タイヤの負荷が均等であると推測できるし、圧の上昇幅からは窒素充填の効果がありそうだと分かる。とりあえず、セッティングについては申し分ないというところか。ハンドリングもよく、リアの踏ん張りもトラクションもよく、減衰力についてはとりあえず現状でしばらく様子を見ることにした。

     しかし、冷却系に重大な問題が出現。水温・油温とも、前回より明らかに上昇しているのだ。前回、水温はmax84℃、油温が108℃。油温については測定部位が変更になったため単純な比較はできないが、少なくとも水温が上昇しているのは間違いない。しかも、油温は一般的にエンジンオイルの性能限界と言われる120℃を越えてしまっている。油温が120℃を越えたのは最後の1ラップ程度だからこの枠はそれほど問題なさそうだが、更に気温の上昇する2枠目からはかなりの注意が必要になりそうだ。

  3. サーキット走行 : 2枠目

    • 天候 : 気温 32℃, ドライ
    • アライメント : F TOE IN 0mm, F CAM -3.0°, R TOE IN 1.0mm, R CAM -3.2°
    • 減衰力 : F 5/30, R 5/30


     2枠目は、ベストラップを出すべく気合いを入れて出走。うまくいけばこの枠で2分を切れるはずだ。

     しかし、数週目から異変に気付く。なにか妙だ。いつもよりエンジンの吹けが悪いような… よく観察してみると、いつもならバックストレッチ終端、リボルバー入口、マルボロ看板前など、エンジンが吹け切っていたはずの場所で、今回はシフトランプが光らない。コーナリングが悪いのかと色々試したが、むしろ前回よりコーナリングスピードは上っている。特にマイクナイトでは、最終コーナー前でリミッターに当るほど高速に旋回している。さらにじっくり観察してみると、前回まではメーター読み200km/hを記録していたバックストレッチの終速が、今回は190km/hに届いていないことを確認。おかしい… そうこうしているうちに、油温が120℃を越えてきたため一旦クーリングに入る。室内が異常に暑い。ステアリングやシフトノブからも、普段は感じられないはずの熱をはっきりと感じる。

     1周弱のクーリングにより油温は105℃まで低下した。油温が下がったことを確認してからアタックをかけると、なんとかバックストレッチの終速を193km/hまで上げることはできたものの、結局マルボロ看板前では吹けなくなってしまう。3回ほどクーリングを行いつつタイムアタックをかけたが、結局前回ほどのスピードは得られず。不満を抱えたまま走行枠終了となった。

    • タイヤ空気圧 : F 220->240kPa, R 220->240kPa
    • メーター(ピーク値) : 水温 88.0℃, 油温 122.5℃
    • ベストラップ : 2'00.717


     ベストラップはなんとか0秒台に入ったものの、前回のベストである2分0秒109には遠く及ばないレベル。う〜む、これはちょっとまずいような… 一般走行には特に問題ないようだが、エンジンの発熱が異常だ。クーラントは十分あるし、前回より冷却系の能力が落ちている様子はない。単に気温の問題なのだろうか。

  4. サーキット走行 : 3枠目(模擬レース)

    • 天候 : 気温 30℃, ドライ
    • アライメント : F TOE IN 0mm, F CAM -3.0°, R TOE IN 1.0mm, R CAM -3.2°
    • 減衰力 : F 5/30, R 5/30


     2枠目のクーリング後、エンジン音や水周りに問題がないことを確認して、3枠目も走ることに決めた。やはりもう一枠試してみたかったからだ。2分を切ることはできなくても、なにか新しい発見があるかもしれない。

     この枠はグリッドスタートの模擬レースだ。前後のクルマとほとんどタイム差がないため、抜きつ抜かれつの展開はほとんどない。常に前のクルマにくっついて走っている状態だった。しかし、余裕をもって走っているにも関わらず、油温はやっぱり122℃を越えた。水温もついに90℃となり、冷却系の問題が「コーナリング中にアクセルを踏めるようになった」というようなポジティブな理由だけではないことを示唆する結果となった。

    • タイヤ空気圧 : F 200->240kPa, R 200->240kPa
    • メーター(ピーク値) : 水温 90.0℃, 油温 122.5℃
    • ベストラップ : 2'00"889


     気温変わらず、しかもベストラップは若干落ちているにも関わらず、油温・水温とも上昇。クーリングラップが取れなかったせいもあるだろうが、前回まで一度もクーリングなどしたことがなかったことを考えれば、やはりこれは異常な状態と考えて良いだろう。


  5. 今回の感想・収穫、そして次回の抱負

     足回りについて言えば、100%試せたわけではないとはいえ、現時点で十分すぎるほどの効果を感じた。とくにコーナーの立ち上がりでは、前の足より圧倒的に安定している。コーナリングは進入で非常に曲げやすく、立ち上がりは若干アンダーに感じる。クリップ付近でより踏んでいけるようになったため、コーナーの立ち上がりも前回より速い。

     困った点としては、やはり冷却の問題とストレートの伸びの悪さが気になる。おそらくストレートが遅いのは、油温と水温の過剰な上昇によって生じた出力の低下が原因だと思われるため、今回の問題はすべて冷却系(発熱)のトラブルとして考えることができるだろう。

     うちのクルマは、もともと足回りと吸排気系だけのライトチューン仕様だが、排気系についてはエキマニまで交換しているにも関わらずECUがノーマルのままであり、もともと燃料が薄いと考えられている。その傍証として、プラグの熱価が高く消耗が早いこと(現在NGK 10番相当)、燃費がいいこと(12.5km/L 街乗り・高速)が挙げられるが、この状態ではエンジンの発熱量が増加してしまう。前回までは、それなりに性能のいいラジエータとオイル、熱価の高いプラグを使用してなんとか持ちこたえてきたが、今回は気温の上昇と全開時間の増加によって冷却と発熱のバランスが崩れてしまったと考えて良いだろう。…そういえば、今回は久しぶりにインテークのフィルターを交換したことも、多少は関係しているかも知れない。

     油温と水温とを分けて考えた場合、水温についてはまだ許容範囲だ。対策も限られているため、直接的に水温を下げるのは難しい。一方、油温は明らかに許容限界を超えている。これはオイルクーラーの増設によって多少緩和できるが、一般には10℃程度の低下しか見込めず、さらに気温上昇や出力上昇と言った悪条件が重なれば容易に破綻すると思われる。

     エンジンの温度管理を考える場合、冷却系だけではなく発熱量を減らすことも考えなければならない。発熱量を減らすためには適切な空燃比を設定する必要があり、これには最低でもECUの書き換えが必要だ。

     今回の問題を解決するには、1. オイルクーラーの設置, 2. ECUのリセッティングが必要だと考えられる。オイルクーラーはいずれにせよ必要になるから良いが、ECUは… どうせやるならせめてヘッドチューン等を施してからにしたいという思いもあり、目処はまだ立っていない。次回は10月に走る予定だが、それまでに改善できるかどうか… 悩ましいところではある。

     とりあえず、次回までにはなんとかクーリングなしで走れるクルマに仕上げたいものだ。


  6. 今回の失敗等

     やっぱり先にオイルクーラーを付けておくべきだったかなぁ…


  7. 追補 : 今回のサーキット走行のメモ


     特に書くべきことなし。いや、ホントに。まあ、今回は足回りのお陰で異常に踏みやすくなったのでコーナリングの限界をかなり上げることができた。しかも全くスピン・コースアウトなし。慣れてきたこともあるだろうけど、危なげなく走れるようになったのが嬉しい。次は、エンジン・ECUを弄って、余裕の走りを追及したいところだ。


  8. その他

     走行会の後、お好み焼き(「どろ」ってはじめてだった)を食べ、さらに3時間カラオケで歌った。これ以上ないって程体力を消費した一日だった。…しかし、おもしろかったねぇ。また行こう (^ ^)

このページに関するお問い合わせは、karino@drycarbon.comまで。
このページは、BeOS R5 & KEditによって作成されています。
このサイトはリンクフリーです。自由にリンクしてくださって構いません。
リスト
Top