2002.01.27(Sun) @ TIサーキット英田
- 準備、サーキット到着まで、そして今回の抱負
今回は、ボリスファクトリーというショップの走行会に参加してみた。走行枠は3枠。タイム計測は2回(2-3枠目)。今後はひとつのショップにこだわらず、日程の合う走行会を色々試してみるつもりだ。
急遽参加を決めたので、今回は特別効果を試したいようなパーツはなし。その代わり、足回りのセッティングをすこし詰めてみることにした。
車高の変更幅は下記の通り。変更にはスプリングのロアシートを使用。それなりにプリロードのかかっていた状態から、若干スプリングに遊びのある状態にしてみた。
車高 | Front | Rear |
Right(mm) | -5 | -15 |
Left(mm) | -10 | -15 |
本当は右フロントも-15mmにしたかったんだけど、実際に下げてみるとロアシートがホイールに干渉してしまう。(ホイールが削れてしまった…) 今回は車高を妥協することで解決したけど、今度はできればスペーサーをかませてホイールのオフセットを減らそう。5mmのスペーサーをかませるだけで干渉はなくなるだろうし、その程度の厚みならハブボルトの打ち換えは必要ない。フェンダーの爪折りもしなくて済むだろうね。まぁ、これは次回の課題ということで。
この週末はあいにくの雨模様。「一度くらいサーキットというものを見てもいいかも」と言っていた奇特な友人を明石で拾って、滑る路面を気にしつつ英田に向かう。途中、道を間違えて遅刻しかけたが、まあなんとか受付には間に合った。
今回の抱負は、
- 車高ダウンの効果を確認すること
- ウェットコンディションに慣れること
- レースウェアを着てみること
- 同僚に借りた車載カメラを試してみること
くらいかな。
基本的なセッティングは前回と同じ。
settings | F | R |
Wheels | P-1 Racing 1780 | P-1 Racing 1790 |
Tires | BS 540S 215/45R17 | BS 540S 235/40R17 |
Brake Pads | GLAD type CZ | GLAD type CZ |
Brake Rotor | normal(S15T) | normal(S15NA) |
Springs(kg/mm) | SECTION 10 | SECTION 7 |
銘柄やサイズは変更ないが、先日リアのタイヤがパンクしたため、リアタイヤを両側とも新調。ほぼ新品の状態でサーキット走行に参加することになった。後から考えると、タイヤの表面はあらかじめ少し溶かしておくべきだったかも知れない。
- サーキット走行 : 1枠目
う〜ん、怖いくらいにヘビーウェットな路面。こんなに酷い状態は初めてなので、ちょっと緊張する。今回もクラッシュが多発する予感が…
- 減衰力 : F 2段目, R 2段目
- タイヤ空気圧 :
air press. | F | R |
cold(kPa) | 180 | 180 |
warm(kPa) | 200 | 200 |
- アライメント :
element | F | R |
TOE(mm) | 0.0 | +1.0 |
CAM(°) | -3.0 | -2.4 |
さて、1枠目の1周目は、ペースカーの先導による慣熟走行。路面が悪いので、タイヤを暖めるためにみんなして蛇行していた。僕も蛇行はしていたが、それ以外は別に無理もせず、それなりに慎重に走っていたんだけど… あろうことか、ヘアピンでいきなりスピン (^ ^; 滑りやすい路面だったのに加え、リアタイヤが新品だったのが災いしたみたい。とにかく予想もしていないタイミングでリアが滑ったので慌ててカウンターを切ってしまい、スピンをうまく止められなかった。後続の方々、ごめんなさい。
で、気を取り直して走行再開。とにかくどこもかしこもよく滑る。ホッブスコーナーも滑りまくりで、かろうじてカウンターを当てながら立ち上がったりしていた。その後、一旦ピットへ。全員揃ったところで一般走行が開始された。今回は、この時点で既にかなり疲れていた (^ ^;
1周目の教訓を忘れないよう、ひたすらゆっくり走りながら横Gの限界を探る。第1コーナーではフルブレーキ後に少しブレーキを残した状態でステアリングを切ったら、そのままリアが出てコントロール不能になった。ブレーキは直進状態でしか踏めないようだ。アトウッドカーブは前回までなら3速ベタ踏みだったが、今回は少しアクセルを踏みすぎただけでリアが出てしまう。モスS前のシフトアップ時には、クラッチを粗っぽく繋いだだけでリアが流れる。とにかく、恐ろしく限界が低いということは理解できた。
結局、クルマを壊さないようにするのが精いっぱいで、まともに走ることはできなかった。完全なスピンが慣熟走行中に1回。ハーフスピンが第1コーナーで1回。もうスピンはしない予定だったんだけど… でもまあ、ウェット時の練習にはなったかな。少なくとも、今度雨の日に走るときはもっとゆっくり走ろうと思ったよ。
そういえば、この枠ではクラッシュしているクルマの多かった。僕もタイミングが悪ければ同じことになっていたはず。途中でピットに戻るクルマも多かったけど、気持ちは分かるね。
- サーキット走行 : 2枠目
ということで、ストレス解消のため昼食を摂った後、2枠目に突入。
1枠目に比べれば多少ましなコンディションだが、やはり相当なウェットだ (^ ^; 第2コーナーなんて、路面がきらきら光っている。でもまあ、レインコンディションで走る練習だと思ってゆったりと走ってみた。ブレーキング、アクセルワーク、ヒール&トゥ、クラッチワークをとにかく丁寧にして、車体を少しでも安定させようと努力。その甲斐あってか、スピンなし、大きなカウンターステアもなしで最後まで走りきることができた。
走り終わってリアタイヤを見てみたが、まだ表面は全く溶けていない。我ながら、よくこんな状態で走れるなと感心したりして。温度関係は、水温78℃、油温101℃。それなりには踏めている様子。でも、いつ踏んでいるのか今一つ分からないけど。タイム的には大したことないだろうと予想していた。
ところが、実際のラップタイムは、2分15秒768だった。あれ、前回の1枠目(ハーフウェット)のベストラップとほとんど同じだ (^ ^; ということで、案外まともなタイムにびっくり。車高を下げたことと関係があるのか、それとも自分の腕が上がったのか分からないが、とにかくそれなりのペースで走れていたようだ。う〜む、本当に意外だ。
- サーキット走行 : 3枠目
昼から雨が止んで少し日も照るようになったため、路面はかなりドライになってきた。みんなやる気満々で、走行開始10分前からピットロードに並んで出走を待っている状態。僕もつられて並んだけど、並んだ後がずいぶん暇だったよ。
この枠では、クルマ系同僚(86乗りではない)に借りたハンディカムを取り付けて、運転状況を撮影してみた。左リアの三角窓に吸盤で取り付けるタイプだけど、案外しっかり固定されるので安心。走行中に外れたら危ないからね。
で、出走。1周目は路面状態を確認してみたが、全域でほとんどドライコンディションになっているようだ。ということで、本日初めての全開走行開始。といっても、最初は各コーナーを攻めたりはしないで、とにかく前回までの記憶をたどりながら少しずつ調整していく。周回を重ねるごとに感覚が徐々に戻ってくるのが楽しい。4周目でやっとリアタイヤのグリップが増してきて、5周目にはほぼ普段の状態に戻ったため、今度はコーナリング後のアクセルワークを重点的に見直す。ここで車高の変更が生きてきた。まだステアリングが戻りきっていない状態からアクセルを踏み込んでも、リアが流れなくなっている。徐々にアクセルを開くタイミングを早め、開度を大きくしていくが問題ない。コーナリングも少しずつ洗練され、全体がまとまってきた。「よし!」と気合いを入れて、さらに走り込もうとしたその直後…
「あ、赤旗??」
ピットインを指示する赤旗が出て、走行枠が中断されてしまった。開始からすでに20分が経過しており、再出走は絶望的。これにて今回の走行会は終了… ほんとかよ…
赤旗の原因は、最終コーナー出口のイン側コンクリートウォールに刺さったクルマがいたこと。刺さったクルマのドライバーには悪いが、ほんとにタイミングが悪いよ。多くのドライバーが、これからタイムアタックするところだっただろうに…
でもまあ、少しでも本調子で走れたのは嬉しかった。油温は103℃、水温79℃。リアタイヤはかなりいい感じに溶けている。もっともサイドはまだ溶けてないから、もっと横Gはかけられるんだろうね。今度はコーナーの進入速度を全体に高めにしてみよう。ま、今回はちゃんとグリップの感覚もつかめるようになってきたし、少しは進歩しているようだ。
で、タイムはというと… 2分5秒524! あれ、自己ベストを更新してる (^ ^;
各Lapのタイム一覧
Lap | Lap Time | Lap | Lap Time |
1 | 3'00"492 | 6 | 2'08"002 |
2 | 2'08"407 | 7 | 2'05"524 |
3 | 2'09"614 | 8 | 2'06"039 |
4 | 2'09"336 |
5 | 2'08"752 | |
うん。流れとしてはだいたい走行中に予想していた通りだ。最後の2周はかなり調子が良くて、コーナーからの脱出速度が前回までよりかなり速くなっている印象だったからね。改善点としては、コーナー出口で以前よりかなり踏んでいけるようになったことと、コーナーにより速く進入しても大丈夫になったこと。これらは車高の変更による部分が大きいね。
しかし、このタイムを見ると、赤旗中断がいかにも惜しい。7周目はもちろん、8周目も前回のベストラップより上。中断さえなければ後4周は走れたはずだから、ベストラップをもう少し短縮できていたかも… ま、いいけどね (^ ^)
- 今回の感想・収穫、そして次回の抱負
今回は、とにかく疲れた! ウェットコンディションでどうやって運転するかという勉強にはなったけど、ドライもまだまともに走れない僕にとってはかなり辛かったよ。
収穫は、まず車高を下げたことによる運動性能の向上が体感できたこと。3枠目だけしか実感できなかったけど、クリップを過ぎてからステアリングを戻すまでの間にアクセルが踏み込めるようになった。かなりリアのトラクションが改善しているようだ。今回は右フロントの高さが不正なので、次はハブにスペーサーをかませてもう少し下げてみよう。サーキットを走るだけなら、もう2cmほど下げても大丈夫だろうね。問題は、街乗りと両立できなくなりそうだってことだけど… サーキットに着いてから車高を下げるのは大変だし、走行会が終わってから車高を上げるのはもっと大変だ。まあ、慣れればそれなりに手早くできるようになるかも知れないね。
ウェット走行については、とにかく丁寧な運転をすべきだということが分かった。ちょっとした操作ミスであっさりスピンしてしまうので、ドライの時よりずっと集中力が必要になるね。
レースウェアに関しては、それなりに楽になった。特に両肩の動きは楽になったかな。着替えるのが面倒だけどね。思わず着たままで帰るところだったよ…
車載カメラは、3枠目に試してみた。それなりに撮れることは分かったが、次回はもっと広角にしたいね。今回のビデオを見てみたら、コースの右側しか映ってなくてちょっと臨場感に欠けてたから。
- 今回の失敗等
まあ、スピンしたことは置いておくとして (^ ^;
タイヤが新品同様の状態で走ったのはまずかったかな。晴れた日なら数周で溶けるので「サーキットで慣らし運転すればいいや」とタカをくくってたんだけど、現実には雨で全く溶けなかった。今度タイヤを履き替えるときは、あらかじめ慣らしをしておこうと思う。
- 追補 : 今回のサーキット走行のメモ
雨の日の走行について ーーー 今回はえらく練習になった (^ ^;
第一コーナーは、100m手前から浅めのブレーキで減速。
シフトダウン時に回転が合わないとリアがふらついてしまう。
制動している間はステアリングを切れない。
しっかり減速して、ブレーキをリリースした後にコーナリングを開始する。
今回はここでハーフスピンしてしまった。
第二コーナーは、横Gを一定に保ったままハーフスロットルで乗りきる。
下手に踏んだら一瞬でコントロール不能になりそうだ。
立ち上がってステアリングをニュートラルに戻すまでアクセルは意地でもそのまま。
モスエスは普通に走れるが、シフトアップ時にクラッチを「ポン」と繋いだだけでリアが出そうになる。
ひたすら丁寧なシフトを心がける。
アトウッドは、十分に減速して3速で旋回。
少しでも踏みすぎればリアが出るが、なかなかスピンには至らない。
バックストレッチは問題なく加速できる。アトウッドの脱出が遅いので終速は160km/hくらいかな。
ヘアピンは40km/hで回っていても、アクセルを踏みすぎればあっさりスピンする。
今回はここで一度スピン。慣熟走行中だったんだけど… う〜む。
リボルバーは、いつも通り退避路に出られる。
ヘアピンからの脱出速度が低いため、あまりスピードが乗らない。
ウェットでは3速にシフトしないほうが良さそうだ。
パイパーは、危なすぎてスピードを出せず。
軽く横Gをかけただけで縁石に吸い寄せられてしまう。
レッドマンからホッブスにかけては、ほぼいつも通り。
もちろんリアは流れるけど、スピード域が低いのでコントロールは容易だ。
マイクナイトと最終コーナーは、とりあえずじっくりゆっくり。
特に最終コーナーは、滑ると命に関わるから慎重にいった方がいいね。
- その他
今回の走行会では、同じピット内にもう一台S15がいた。しかも、脇腹のエンブレムは「spec-S」。お仲間かな、と嬉しくなって、ちょっとばかし対抗心を燃やす。ほんとは最初の時点でオーナーに話しかけたかったんだけど、向こうは5~6人くらいの団体で来ていたこともあって、なかなか話しかけるタイミングが見つからなかった。
さて、実際の走行はというと。ヘビーウェットの1枠目とウェットの2枠目は、コーナーは若干うちのクルマが速いけど、直線はむこうのほうがかなり速いという印象。外見上は、FRPのボンネット、助手席なしだけどその他は特に変わりなし。NAにしてはマフラーが太いかも… とは思ってたけど、排気音は確認できず。マフラーの割には、随分と静かなクルマだった。
で、3枠目。せっかくのドライだったけど、向こうが先にスタートしたせいで一度も並走できず。ちょっと哀しかった…
並走できなかったのは仕方ない、せめてリザルトを比較しようと思って向こうのタイムをみると… ありゃ! 1分55秒だって。これはNAじゃないな (^ ^; ライトチューンのNAで55秒は無理だ。コーナリングを見るかぎりではそこまで極端に速いわけじゃないし、もしNAエンジンのフルチューンなら、少なくとも音で分かるし。多分ポン付けタービン仕様で足回りはライトチューンだろうと予想して、最後の最後にオーナーに声をかけてみた。そしたら、実はただのspec-Rだった(爆) 街乗りでしばしば走り屋に煽られるので、エンブレムだけspec-Sにしたんだそうな。どおりでノーマル風だと思ったよ…
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