2001.11.23(Fri) @ TIサーキット英田



1. サーキットまでの道のり&今回の抱負

今回は初のサーキット走行。
初めてなので、今回の顛末についてちょっと詳しく書いてみようと思う。

12月23日、当日。朝5時30分起床。色々用意して6時15分に出発した。
途中、西紀のPAで肉うどんを食べたのみで、後はひたすら岡山の英田を目指す。
早朝の舞鶴道はひどい霧だったが、中国道はそれなりに気分よく走れた。
高速を降りてからは、ひたすら山道を突き進む。
英田は… とにかく田舎だった。
途中、離合不能な一本道が延々と続く。トラックと出くわしてひたすらバックしたりして。
ほんとはもっと良い道があるはずなんだけどね。
でもまあ、カーナビ先生が道を教えてくれたお陰で、全く迷わずに済んだのはありがたかった。
受付時間は9時15分だったんだけど、到着は9時ちょうど。
けっこうぎりぎりだった。

今回のサーキット走行は、
a) サーキット走行に慣れること
b) ブレーキ・足回り・冷却系の性能を確認すること
c) Man-Machineインターフェイスの良し悪しを確認すること
以上を目標に頑張ることにした。

2. 初めてのサーキット

岡山の「TIサーキット英田(あいだ)」。
コース全長は3.7km。コース幅は12〜15m。日頃走っている峠とは規模が違う。
走行枠は3枠。それぞれ30分間だ。

まず最初に受付があり、そこで参加費の支払いを済ませてゼッケンとラップタイム計測器を貰う。
初心者には一応旗の説明。内容は…わりと適当。一応事前に調べていったから大丈夫だったけど。

で、クルマの準備に移る。
まずはクルマから不要なものを全て降ろす。テンパータイヤもフロアマットも全て。
それからゼッケンをボンネットと運転席側ドアに貼り付ける。タイム計測器は運転席側のリアのウィンドウに貼り付けて、破片の飛散防止のためランプにビニールテープを貼る。
え? 計測器は車内側に貼るの?
外に貼ってあった計測器を慌てて室内に貼り直す。
脱落防止のためにエンジンルームの各部にもテーピング。
最後にグローブとヘルメットを付けてシートベルトをして…

げ、いきなり走行開始だって!
心の準備がまだだぞ〜 と思いつつ、早速コースイン。
なんかやたらとイージーだな。ま、いっか。

3. サーキット走行 : 1枠目

一枠目は、街乗りと同じ減衰力設定を試すことにした。
前後とも4段目。それなりに柔らかい設定だ。
アラインメントは、
・フロントトー -1mm、リアトー -1mm
・フロントキャンバー 3°、リアキャンバー2°
バネレートは現在のところフロント10kg/mm、リア7kg/mmだ。
しばらくこの設定で行く予定。

1周目、後からクルマが飛んできていないことを確認しつつコースイン。
最初は全開にはしないぞ、リミットは6000回転、なんて考えながら第一コーナーをインベタで回る。
その後次々と現れるコーナーをそれなりに無難に回り、ホームストレートに戻る。
広いことは広いけど、思ったよりコースの全体像は分かりやすい。覚えるのは難しくなさそうだ。

2周目、いい気になってちょっとアクセルを踏んだら、ヘアピンで順当にスピン (^ ^;
リアが外壁のスポンジウォールの手前10cmほどのところで止まった。
う〜む、危ない危ない。ちょっと抑えなければ。

そんなこんなで、結局第一走行枠に2回ほどスピンしたが、ベストタイムは2分11秒928。
案外いいタイムに驚く。目標は2分10秒だったからね。

びっくりしたのは、一枠目から沢山の車両がクラッシュしていったこと。
自分の目の前のクルマがあっさりコースアウトしてグラベルに潜り込んでいく。
綺麗に作ってあるS14が砂に埋まってるのをみると自分もそうなりそうな気がしたり。
ショップのデモカーみたいなクルマの左サイドが潰れてるのを見てもったいないと思ったり。
結局一枠目は赤旗が出て途中終了。5周しかできなかった。ちょっと残念。
つうか、みんな最初からとばしすぎだよ…

この枠の水温83℃、油温95℃。まだまだ余裕。というより踏めていないな、これは。
タイヤは外側5mm分を残して綺麗に溶けてきている。全然減っていない。
減衰力は、全体にちょっと柔らかすぎる印象だ。
ハンドリングは少しアンダー。リアはそれなりに出にくい印象。
初めてのセッティングだからちょっと分かりにくいけどね。

そういえば、1枠目はナンバープレートを付けたまま走ってしまった。
ピットに戻ってから気が付いたけど、あれって問題ないのかなぁ…

4. サーキット走行 : 2枠目

一枠目のタイムに気を良くして、二枠目に突入。
この枠では、減衰力をフルハードに設定してみた。

しかし、数週走った後、右前のタイヤハウスから異音が。
インナーフェンダーとタイヤが干渉してしまったようだ。
結局この枠はまともに走れず。タイムは2分27秒348という散々な結果に終わった。
水温は83℃、油温90℃。話にならないね。

ピットに戻ってから調べてみたら、インナーフェンダーの一部が溶けて垂れ下がり、タイヤに接触してしまっていた。コーナーでタイヤと一瞬接触した際に、樹脂部分が溶損してしまったらしい。
休憩中に急遽インナーフェンダーを外してタイラップで配線や配管をを移動して、タイヤと干渉しないように工夫を凝らす。

努力の甲斐あって、なんとか三枠目に間に合った。
タイヤそのものには特に問題なし。一枠目と同様の溶け方だ。

5. サーキット走行 : 3枠目

この枠では、2枠目と同じ減衰力設定、つまりフルハードのままだ。

三枠目は、かなりいい感じに走れるようになってきたのだが、他のクルマがペースアップしてコーナー毎にインを刺して来るので、まともなラインが走れず。結局2分20秒335止まり。
まあ、周囲との速度差が大きすぎるので、ある程度は仕方ないけどね。
ただ、一時的にコースクリアになるタイミングがあり、その時にはかなりまともに走れるようになってきた。

水温は83℃、油温100℃。エンジン負荷は確実に増えている。
少しはアクセルが踏めるようになったかな。
タイヤは全体にかなり溶けていて、外側部分を除けばいい具合だ。
ただ、サイドが全く溶けていないので、コーナリングスピードはまだまだ低い様子。
これは今後の課題だろう。
回頭性は1枠目よりいいが、リアのトラクションのかかりが悪い印象。
減衰力は、フロントはフルハードでいいが、リアは少し柔らかめの方が良さそうだ。

6. 今回の収穫

まず「a)サーキット走行に慣れること」。
これはそれなりに慣れることができた。
非日常的な速度感覚に慣れたし、3枠目には後ろを見る余裕もできた。
それぞれのコーナーの走り方も少しずつだけど分かってきたかな。
次は、タイヤの外側をきちんと使って走ろうと思う。

次に「b) ブレーキ・足回り・冷却系の性能を確認すること」
水温・油温が全く問題なかった。
最も負担の大きかった三枠目でも水温83℃、油温100℃がピーク。
水温は80~83℃、油温は80~100℃の間をうろうろして、30分間全く不安を感じさせなかった。
10周走っても平気とは、さすがサイドタンク式アルミ3層。満足のいく結果だね。
そういえば、GTRは5周目くらいでクーリングしてたな…
とりあえず冬の間はオイルクーラーなしで行けそうだと分かり一安心。
冷却系については一段落というところだ。

ブレーキ性能についても、ほぼ問題なし。
タッチはともかく、30分間ずっとフルブレーキしていたにもかかわらずほとんどタレなかった。パッドもあまり減ってないし、ペダルタッチがすかすかになることもストロークが大きくなることもない。パッドの予備は全く必要なかったね。今のパッドを使い切りそうになったら、次のパッドを何にするか考えることにしよう。
タイヤもかなり残っていて、この分だと次回も余裕で使えそう。ちょっと安心。
まあ、これはコーナリングがまともにできていないってこともあるんだけどね。
ちなみに、タイヤについては同僚から「あと5~6回は余裕で使えますよ」と太鼓判。
いいんだか悪いんだか。

足回りは、やっぱり安くても車高調だね。
SECTIONのSPEC-RM/A8は、峠では申し分なく、サーキットでも今のところ全く問題がない。
減衰力設定は、1枠目と3枠目の差から、おそらくリアを適度に落としたほうがいいと思う。
次回はフロントフルハード・リア2段目で試してみることにしよう。

ブレーキと足回りについてはそれなりにうまくバランスが取れているようで、フルブレーキング時にもジャダーは出ないし、ブレーキを残した状態でコーナリングをはじめても挙動は安定している。これは車高調・ブレーキ・アーム類・メンバスペーサーなどの組み合せによるものと思われる。特にピロテンションロッドの効果が大きいかな。
以前の状態だと、どう頑張っても120km/hからのフル減速は無理だったけど、今の足回りは非常に安心感があるね。180km/hからでも平気でブレーキを踏むことができるようになった。

コーナリング性能については、おおむね問題ないと思うが、ロールが少々気になる。
できればスタビを強化したいが、次回に間に合うかどうかは予算の問題で微妙。
現状のまましばらく練習するのも悪くないかな。

今回、足回りの問題としては、インナーフェンダーの件があった。
現時点で応急処置のみだが、次回までにきちんと対策する必要があるだろう。
車高を更に落とすなら、全てのインナーフェンダーの除去、配線の引き直しが最低限必要。ロールセンターアジャスターの取り付けも必要になってくるかも知れない。まあ、インナーフェンダーと配線については低予算でできるし、次回は車高据え置きで行きたいところだ。

そして、「c) Man-Machineインターフェイスの良し悪しを確認すること」。
・ステアリング・シート : 問題なし
・純正メーター : それなりに見える
・油温水温計 : 見やすい
・APEXiのスピードメーター : 全然見えない (^ ^;
・シフトランプ : かなり見づらい。やはりダッシュ上に置くべきと思われる。
・シートベルト : 問題なし
・シートベルトランプ : 鬱陶しいかと思ったが問題なし
・ペダル類 : 取り立てて問題ないけど、ブレーキが少し滑りやすい
・ヘルメット : バイザーを閉めると曇って前が見えない
・グローブ : 問題なし

今回の走行で、シフトランプがあまり役に立たなかったのは痛かった。
案の定、ヒートアップしてくるとオーバーレブしてしまう。後日、移設を検討しよう。
APEXiのメーターについては、まあ見えなくても問題ない。日よけくらいしてもいいけど。
ヘルメットについては、もう絶対バイザーを閉じることはないだろう。
1枠目で目の前が真っ白になって、開けるまでほとんど周りが見えなかった。
2回目のスピンの遠因でもあるし、安全のために次からは最初から外しておこう。

運転技術については、現在のところthreshold brakingにかなり近い状態。
ただ、毎回ブレーキの効きに差があるので、いかに安定して減速するかが今後の課題だ。
またコーナリングの際になかなかクリップにつけない。
この原因は、後を気にしすぎていることと、ブレーキングの際に距離感がまだ希薄なことだろう。
右コーナーについては、峠の癖が出るので尚更クリップにつけにくいのだろうと思う。
ブレーキ技術については今後も練習するとして、問題はコーナリングだ。
サーキット以外、まともに練習できる場所がない。
なんとか広い場所を見つけて、パイロン使って練習するしかないね。困った。

6. 感想と抱負

今回は初めての走行会ということで、とにかく安全運転を心がけた。(…いや、一応ね)
1枠目のスピンを除けば危険を感じることもほとんどなかったし、非常に楽しい1日だった。
かなり疲れたけど、今の体力でも3枠をフルに走りきることはできそうだ。

さて、次回は、ある程度自分の思うラインを取れるよう努力しよう。
タイム的には2分10秒は確実に割れると思う。
ただ、速い人と同じラインを走ることになるので、危険は今までよりずっと大きくなるね。
さらに慎重に走らなければ。

そういえば、12月の走行会で、同僚が一周目だけ一緒に走ろうと言っていた。
でも、彼はタイヤを暖めるための準備走行でも1分55秒で走る人なんだけど…
一応2分0秒程度のペースで走ってもらって、なんとかついていけたらなと思う。
彼の全開走行時は1分50秒前後。この冬の目標タイムは1分47秒。う〜む、凄い!
ハチロクとしては圧倒的な速さだよなぁ…

それにしても。
今回、一枠目の走行から色々なクルマがどんどんグラベルに嵌まっていった。
オイルも吹きまくり。オイル旗は出るし赤旗は出るし、大変な走行会だったよ。
今回は参加台数が多かった(63台)ってこともあるんだろうけど、ちょっと酷すぎるような。
次はもう少し落ち着いた走行会だといいけどね…

ともかく、今回はサーキット走行を楽しむことができた。一人で行ったため待ち時間が寂しかったけど、それを除けば言うことなし。次は同僚も来るし、さらに楽しくなりそうだ。今度もクルマと体を壊さないよう、楽しく安全にサーキットを走るよう心がけることにしよう。


7. 追補 : 今回のサーキット走行のメモ

第一コーナーではフルブレーキで4速から3速に落とし、少し奥にクリップをとってアウトぎりぎりに立ち上がる。
3速ベタ踏みは現時点で無理。今後の課題。

第二コーナーは、3速ホールドでインに付け、そのままインベタで回る。
クリップはポイントではなくゾーンみたい。
現時点では進入でアウトに膨らみすぎている。脱出で3速ベタ踏みはOK。

モスSは、左右の縁石をかすめながら3速->4速ベタ踏み可能。これは実行できる。

アトウッドは、現時点ではフルブレーキで4速から2速に落とし、立ち上がりながら3速に上げている。
アウト側は少し路面が悪く、クルマがはねて姿勢を維持できない。
できれば3速で進入し、可能なかぎりコーナリング速度を維持しながら若干イン側に立ち上がりたいところ。

バックストレッチはヘアピン手前250m付近で5速に入る。終速は160km/hくらい。
アトウッドの立ち上がりがよければ、更に進入速度を上げられるはず。

ヘアピンはフルブレーキで5速から2速に落とし、立ち上がりはコース中央から外側を狙う。
今回はここで1回スピン。立ち上がりの際にアクセルを開けすぎたのが原因だ。
現状ではヘアピンのクリップにつけない。次回の課題だ。

リボルバーコーナーは、外にぎりぎりまで寄せて進入し、2速ホールドで脱出して外縁につける。

パイパーコーナーは、わずかにブレーキ。アウト-イン-アウトで外縁ぎりぎりに立ち上がる。
立ち上がる途中で3速にシフト。次のブレーキングまでフルスロットル。

レッドマンコーナーは、フルブレーキしつつ2速へ。
そのままインの奥をかすめてコース中央に立ち上がる。

ホッブスコーナーは、思いきりアウトに寄せた状態から2速ホールドでじっくり回る。
どう頑張ってもスピードが乗らない。クリップにつけることは可能。
ぎりぎりアウトに立ち上がって、3速にシフトする。
今回はここで1回スピン。やはり立ち上がりでアクセルを開けすぎている。焦りは禁物だ。

マイクナイトコーナーは、ノーブレーキで旋回できる。
現状ではスピードが乗っていると怖いので、少しアクセルを抜いている。
ターボならダメだが、NAだから許容範囲か。
次回は完全にベタ踏みで行ってみたい。

最終コーナーは、アウトぎりぎりで進入してインに付け、アウトいっぱいに立ち上がる。
マイクナイトを立ち上がりきった次の瞬間にはブレーキングに入る必要がある。
クリップは若干奥目に取らないと立ち上がりでコースアウトしそうだ。
ここでコースアウトするとコンクリートウォールに正面から激突するので怖い。
現状ではインにつけきれず、アウトはぎりぎりにつけている。
次回は3速ホールドで進入し、そのまま3速全開で立ち上がるつもり。
うまくいけば、メインストレートで5速に入りそうだ。

全体に、後からインを刺してくるクルマが多いので、コーナーをアウト-アウト-アウトで回ることが多くなってしまう。ある程度車速が上ればコーナーをいっぱいに使える立場になるだろうから、それまで地道に頑張るしかないだろう。

今回、3枠目で道を譲りまくったためコース周囲のタイヤカスを大量に拾ってしまい、タイヤの表面がどろどろになってしまった。高速道路で徐々にはげていったが、あんまり気持ちのいいものではないね。サーキット走行中は熱ですぐはげるからいいけど、一旦冷えると硬いのなんのって… レコードラインからあまりに離れすぎるとグリップしにくくなるし、困ったもんだ。

11月23日の時点で、タイヤは3周しないと暖まらなかった。ベストラップは4周目。次回は12月終わりだから、更に注意しないと危険だ。ただ、冬場はタイヤが減りにくいので財布に優しい。冷却のしやすさも含め、やはりレースの季節は冬だと実感した。


8. 今回の失敗等

・フロントのナンバープレートを付けたままコースインした。
・ラップタイム計測器を車外に付けていた。(すぐ直したけど)
・ボンネットの中央にゼッケンを付けたら、熱でビニールテープが溶けて処理が大変だった。
・ヘルメットのバイザーを下ろしていて、前が全く見えなくなった。
・2枠目の1周目、シートベルトをきちんと締めておらず、ストレートで慌てて締めた。
・昼ご飯の時間を間違えて、昼前に食べてしまい午後がかなり暇だった。

9. その他

駐車スペースで隣になったMR2の人がなにやらいい感じ。
喋ったのは少しだけだけどね。
で、帰りの高速で河西のPAに寄ったんだけどさ。
帰るときふと隣を見たら、またおなじMR2がいつのまにやら停っていた。
やっぱり帰り道は同じなんだねぇなんて思ったりして。
ちょっと急いでたんで挨拶しなかったけど、なんだか楽しい。
今度サーキットで会ったら、また話をしてみたいね。

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