「命令」は、オブジェクトを処理するためのものです。例えばあるアプリケーションのウィンドウを閉じたいとすれば、「window "xxx" of application "xxx"」がオブジェクトであり、「close」が命令となります。これを記述すると、
close window "xxx" of application "xxx" となります。
「命令」には3種類あり、すべての命令をどんな時にでも使用できるというわけではありません。「命令」の種類は以下の通りです。
- AppleScript内蔵のもの
- スクリプティング機能追加に収められているもの
- アプリケーション自身が持っているもの
この中でAppleScriptが常に使用できるのは、内蔵のものだけです。ただし、システムに標準添付されている機能追加ファイルも多数ありますので、実際に使用できる命令はそれよりも多くなります。アプリケーションが持っている命令は、そのアプリケーション(オブジェクト)に対して送られたときのみ有効です。
例を挙げましょう。
「set」や「get」はAppleScript内蔵の命令です。スクリプト中で常に使用できます。
「choose」や「beep」などはスクリプティング機能追加に収められています。機能追加ファイルをインストールすることでスクリプトに命令を追加することができます。これもAppleScript内蔵命令と同じくスクリプト中から常に使用できます。
アプリケーション自身が持っている命令には様々なものがあります。例えばファイルの圧縮や伸展を行うソフトウェアであれば、「stuff」や「expand」という命令を持っているかもしれませんし、検索を行うものなら「find」という命令が使えるかもしれません。このような命令はその命令が使えるアプリケーション以外に送られても実行できませんので、エラーが起きてしまいます。
例えばFinder命令である「empty trash」はエディタに送信しても無意味です。これを有効にするには、以下のように記述してその命令がFinderに送られるのだということを明確に示さなければなりません。
tell application "Finder"
empty trash
end tellアプリケーション固有の命令にどんなものがあるか知りたいときは、そのアプリケーションを「スクリプト編集プログラム」にドラッグ&ドロップするか、スクリプト編集プログラムの「ファイル」メニューから「用語説明を開く」でアプリケーションを選択すればOKです。ただ、この説明は非常に分かりにくいので、アプリケーションに添付されている説明書やサンプルスクリプトなどを参考にしながらスクリプティングを進めた方がいいでしょう。