電子メール

1997.4.29


 私はひどい筆無精でした。はがき一枚出すのもめんどうなものだから、文通はもちろんのことソフトやハードのユーザ登録さえまともにできないという有り様。だから私はパソコンを買うまでずっと、自分は「手紙を書く」のがいやなのだと思っていました。

 ところがパソコンでBBSに接続するようになって、私は自分が本当の意味での「筆無精」ではないということに気が付きました。「手紙を書く」ことではなく「手紙を紙に書いてポストまで出しにいく」ことが負担になって、手紙を出すのがいやだったのです。

 私は字を書くのが苦手です。ちょっとした文章を書くにも大変な労力が必要になります。だから大学や高校の講義でノートを取ったことはほとんどありません。また、書いた手紙を出すのはもっと苦手です。外出のついでに手紙を出そうと思っても、手紙を持っていくのを忘れたり投函するのを忘れて持って帰ったりしてしまうのです。

 しかし、電子メールはそんな苦労をする必要はありません。不思議なことに私は「字を書く」のが苦手なわりに「字を打つ」のは平気なので、かなり長い文章でも気軽に作成することができます。また電子メールは自分の家から自分の好きなときに送信することができるので、まったくめんどうを感じません。

 結局、電子メールを使い慣れてみたら、私は毎日当たり前のようにメールを出し、たくさんのメールに返事を書く「筆まめな人」になっていました。人間というのは分からないものですね。

 さて、特定のBBSを離れてインターネットを利用するようになってから、メールの世界はさらに広がりを増しました。

 まず、外国のフリーウェア・シェアウェア作者にそのソフトの感想やバグレポートをメールするようになりました。またWebページを開設してからというもの、ページの感想などをたくさん受け取るようにもなりました。

 特に外国からのメールが増えたのも大きな変化です。多くはAppleScriptに関する質問やページをリンクさせて欲しいという内容のものですが、時折音楽やマンガに関するメールが舞い込んできたりします。最近特に驚いたのは、イスラエルのギター少年からYngwieのページに対する問い合わせが来たことでした。う〜む、World-Wideですね。

 外国の人とメール交換するときに一番問題になるのは「英語」です。私はそれほど英語に堪能とは言えないので、長々とした英文メールがやってくると冷や汗を隠し切れません。しかし大抵の英文は日常会話レベルなので、辞書を引く必要すらない場合がほとんどです。また相手はこちらが日本人であることに配慮して比較的分かりやすい文章を書いてくれることも多いですね。

 おもしろいのは、英語圏ではない国からのメールが来たときです。なにせメールを出した本人も英語が下手だったりするので、お互いに難しい言葉や言い回しが使えません。そのため内容は非常に簡潔で分かりやすくなります。アメリカ人相手の場合は俗語や辞書に載っていない言い回しが多くて分かりにくいことが多いんですよね。本人はそれが分かりにくい表現だと分かってないことが多いし。

 以前メールをやりとりしていた人(イタリア人)も「私は英語が苦手です」と宣言していましたが、非常に分かりやすい英文でした。先ほどちょっと書いたギター少年(イスラエル人)も、メール1通の中に調べなければならない単語が一つもないということが多いです。

 電子メールのおかげで楽になったことの一つに、各種ソフトウェア・ハードウェアメーカーへの問い合わせがあります。つい先日も楽譜作成ソフトのアップグレード情報をメーカーに問い合わせましたが、2日ほどで返事がありました。電話や手紙ではこんなに簡単に、しかも安価に返事を得ることはできなかったでしょう。

 電子メール。ほんとに便利ですね。


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