自宅に新しいMac(7600/200)がやって来たので、以前から気になっていたBeOSを試してみることにしました。BeOSはPR版がMacPower誌やMacTechJapan誌のCD-ROMに収録されていたので、とりあえず外付けハードディスクにパーティションを切ってそこにインストール。簡単な操作で、すぐにBeOSが使えるようになりました。BeOSに触れてみた感想ですが、月並みながら、やはり素晴らしい速度と反応性に驚かされました。複数のムービー(しかもかなり高画質のもの)を同時に再生しても楽々動くし、ウィンドウをドラッグすると、再生中のムービーがウィンドウの移動に合わせて(再生を続けながら)移動していく。MacOSに慣れていた私としては、かなりのカルチャーショックを受けました。
しかし、なにより驚いたのは、そのプログラム開発の容易さです。
私は以前からMacOS上で開発をしたいと考えていたのですが、MacOSプログラミングの複雑さに恐れをなして、なかなか実際にアプリケーション開発をするには至りませんでした。友人にC++とPowerPlant(CodeWarriorのC++クラスライブラリ)を勧められて、それなりに勉強はしていたんですけどね…
ところが、BeOSの開発環境を触ってみると、これが非常にシンプル。システムに添付されているCodeWarriorの簡易版でちょっと試しただけでも、Beの開発がMacのそれに比べて格段に楽だということが実感できました。
じゃあ、なにかアプリケーションを作ってみようと思うのが人情ですよね。
BeOSは今のところ一般ユーザがあまり使っていないせいか、プログラミング用のエディタはいくつかあるものの、YooEditの様な文書作成を主目的としたテキストエディタは存在していません。そこで、とりあえず私がいつも使っているYooEdit風のテキストエディタを作ってみることにしました。
その結果として、「KEdit」という(非常に安易なネーミングの)エディタができました。日本語入力ソフトのkanBeに対応している以外は、ごく普通のテキストエディタです。基本機能の実装までに4〜5日かかりましたが、全く新しいOSとAPI、勉強しはじめたばかりのC++を使って開発したことを考えれば、短すぎるほどの時間ですよね。
CodeWarrior for BeOSは標準添付だし、BeBook(Macで言えばInsideMacintoshにあたるもの)のHTML版も付属しているし、システムヘッダはわかりやすいし… 誰でもすぐに開発を始める環境が整っているというのも大きな利点です。(結局、製品版のCodeWarriorも購入してしまいましたが)
ということで、開発に関して、私は完全にBeOSに転んでしまいました (^ ^; もちろんMacOSとAppleScriptは使い続けますが、せっかく買ったCodeWarrior for MacOSはお蔵入りになりそうです。
これからアプリケーション開発をしてみたいと考えている方は、ぜひ一度BeOSに触れてみることをお勧めします。きっと「ずいぶん楽だな」と感じるだろうと思いますよ。
尚、BeOSは現在PR2が配付されており、今月発売のMacTechJapanにも添付される予定です。興味のある方はぜひどうぞ。使用できるマシンは、PCIバスのPowerMacです。